横綱・照ノ富士は5月場所での復権へ 休養十分、調整バッチリで対戦相手に勝機はあるか
預けていた天皇賜杯を返してもらうときが来た。
5月場所での“復権”に向け、闘志を燃やしている横綱照ノ富士(30)。合同稽古は24日の最終日のみ参加し、時折バクダンを抱えるヒザを気にする様子もあったが、「リフレッシュできた」と自信をのぞかせた。
新型コロナに感染し、稽古不足で臨んだ先場所は3勝2敗で6日目から休場。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も場所前から「今回は厳しい」と話しており、不安的中となってしまった。いまや照ノ富士の弱点がヒザにあることは周知の事実。先場所はヒザへの負担を減らすため、強引に短期決戦を仕掛けて自滅するケースもあった。
ならば、対戦相手も長い相撲を狙うことで、照ノ富士を焦らせることができるのではないか。
親方のひとりは「言わんとすることはわかるけど」と、苦笑いでこう続ける。
「照ノ富士相手に長期戦に持ち込める力士が、一体何人いるかということです。あの怪力で四つに組まれたら、それこそオシマイ。じゃあ、つかまらないように動き回ればいいかと言えば、それも違う。照ノ富士は奇襲や奇策に動じない力士。角界には『小兵は大きな相撲に弱い』という格言がある。跳んではねて相手の動揺を誘えればともかく、無駄に動き回れば横綱の突き押しの餌食です。そうした小細工より、正面から堂々と向かう方がまだ勝機はある」
照ノ富士は先場所を途中休場したことにより、むしろ休養は十分。調整の時間も取れた。
昨年11月場所を最後に優勝から遠ざかっている横綱の逆襲が始まる。