74試合で驚異の34本塁打!“最強助っ人ブライアント”にも泣きどころが
第1試合に続いて、ダブルヘッダー第2試合も終盤にきて、もつれにもつれた。七回に2本の本塁打で勝ち越したものの、その裏、同点に追い付かれてしまう。
近鉄はしかし、八回にラルフ・ブライアントが右翼にソロ本塁打を放って、またしても勝ち越した。
ブライアントはこの年の6月下旬、中日との金銭トレードで加入。ベン・オグリビーと並ぶチームの主砲だったリチャード・デービスが大麻の不法所持で逮捕、退団したことを受けての緊急補強だった。
自分たちの身近なところで、こんな事件が起きたから、私も含めて選手たちは本当にビックリしたが、代わりに獲得したブライアントの長打力にも仰天した。
このシーズンは1試合3本塁打を2度マークするなど、最終戦までの74試合で34本塁打と驚異的なペースでホームランを量産。ブライアントの一発だけで勝った試合がいくつもあった。
それだけに5点くらい負けている試合でも、彼が1本打つと、どこからともなく「狼煙(のろし)が上がったな……」という声があがり、ベンチがきょうはイケるんじゃないかというムードになった。