2試合目の先発に備えて仮眠をとっていたが…ブライアントの同点満塁弾の歓声で飛び起きた
ベンチの盛り上がりは最高潮に。これはもう寝ている場合ではないと思った。
同点の八回、この回の先頭打者はここまで2打席連続本塁打のブライアント。ここで西武ベンチは前年に15勝で最多勝を獲得、この年ブライアントを打率.222、7三振とカモにしていた渡辺久信を投入した。
ブライアントはしかし、高めのストレートを振り抜いて右翼へ本塁打。「アンビリーバブル!」と本人も驚いたこの日3本目の一発が決勝点となって近鉄が第1試合をものにした。
第1試合をブライアントの3発で勝った近鉄の勢いは止まらない。
私が先発した2試合目は同点の三回、ブライアントがこの日4本目の本塁打を放つと、猛牛打線が爆発。2試合目は14-4で大勝し、西武の自力優勝を消した。
苦しみを乗り越え、劇的な勝ち方をした後の近鉄は本当に強かった。1年前のダブルヘッダーも1試合目の九回に決勝点が入って迎えた2試合目。本来なら打線が爆発したところだ。そうならずに中盤までもたついたのは、やはり1、2試合目の間の23分間のインターバルに飛び込んできた「阪急身売り」のニュースが大きかったように思う。