北京銅メダル坂本花織が「通年リンクを!」と訴える日本フィギュアスケートの切実事情
現場の声は切実だ。
フィギュアスケート女子の北京五輪銅メダリスト坂本花織(22)が先月31日、神戸市役所での表彰式でこう言った。
「通年がほしいです!」
坂本の言う「通年」とは、一年間を通してスケートリンクとして使用できる「通年リンク」施設のこと。坂本やこの表彰式に同席した三原舞依(22)が練習拠点にしているのは、神戸市にある神戸市立ポートアインランドスポーツセンター。夏季はプール営業に切り替わるため、夏の間は兵庫県で唯一の通年リンクとなる西宮市のひょうご西宮アイスアリーナまで足を運んで練習を続けている。坂本はこうも訴えた。
「どうしても夏になるとフィギュア(スケーター)も全員そこに集まるし、ホッケーとかショートトラックとかもそこに集まるので、貸し切りを取れる日が本当に少なくなってしまう。もう1つ増えると分散されて、練習が確保される」
坂本のようなメダリストも例外ではなく、一日1時間半程度しか氷上に上がることができないという。練習時間を削られ、行き場を失った選手たちがそのまま競技をやめるケースもある。東京都新宿区にあるシチズンプラザは昨年1月に閉鎖、多くのスケーターが路頭に迷った。