アイスショーは中小企業が飛びつく“お得物件” 日本では抜群の費用対効果
フィギュアスケートアイスショー「スターズ・オン・アイス」の東京公演が8日から始まった。ネーサン・チェンや坂本花織ら北京五輪のメダリストが日本に集結。しかし、ここでもロシア勢の姿はなかった。
ウクライナ侵攻によりロシアは国際大会から除外。競技ではないショーでも参加できなかった。2015年の世界選手権で銅メダルを獲得したロシアのエレーナ・ラジオノワは地元のテレビ番組で「フィギュアスケートの主な観客はロシアと日本のファン。世界フィギュアがロシアの観客を失った場合、スポンサーは去る」と話していたが、そんなことはない。日本の中小企業にとって、アイスショーは実に魅力的な舞台だという。
スケートリンクの壁には企業広告がびっしり。選手の所属企業や大会の協賛企業などはまだしも、「どこの会社?」と二度見するようなマイナー企業が名を連ねていることも少なくない。
「それが良いのです」と言うのは、過去にフィギュアの大会に広告を出したことがある企業関係者だ。
「フィギュアスケートは日本国内での人気が高く、広告効果が高い。地上波で生放送となれば、さらに効果大。大会の規模にもよりますが、その広告料は5000万~1億円くらい。中小企業からすれば非常に大きな金額ですが、人件費をかけてゼロからテレビCMを制作し、それを放送局に買い取ってもらうという手間に比べると、既存の企業ロゴや社名を掲示するだけでいいのでお得。マイナーな企業ほど、視聴者は『この会社、聞いたことない』と食いつく。羽生結弦選手が出場した国際大会に広告を出したことがあるのですが、羽生選手がポーズを決めた瞬間、後ろに弊社の企業ロゴが映っていたことで問い合わせが殺到しました。ロシアの選手がいなくとも、費用対効果は抜群です」
ラジオノワの言い分は“負け犬の遠吠え”か……。