江夏伝説「野球は一人でもできる」がダブる ヤクルト小川泰弘が渾身の一振りで試合決めた
ヤクルトの小川泰弘(32)が、渾身の一振りで試合を決めた。
3日の西武戦に先発し、8回95球を投げて3安打無失点。五回には西武エースの高橋から左翼スタンドにソロ弾を放ち、これが決勝点となったのだ。
そんな小川の姿に、往年の名投手を想起した者もいるのではないか。1973年8月30日の阪神-中日戦。今なお語り継がれる「江夏伝説」だ。
この試合に先発した阪神の江夏豊は九回まで無安打に抑えたものの、味方打線もさっぱりで延長戦に突入。江夏は十、十一回も安打を許さず、かといって打線の援護もない。そこでしびれを切らしたのか、江夏は十一回裏にサヨナラのソロ弾。自らのバットで延長ノーヒットノーランを完成させた。
この時、江夏が言ったとされるのが「野球は一人でもできる」。実際は記者の同様の質問に「そうだ」と答えただけなのだが、この言葉が一人歩きし、伝説と共に語られるようになった。
九回のマウンドは守護神マクガフに譲ったものの、「小川一人で勝った」と言っても過言ではない一戦だった。