大谷翔平の移籍先めぐり米メディアは大騒ぎ…金満強豪球団では「二刀流」が不可能な根拠
資金力がありながら投手力が弱いチームを選ぶしか
大谷は日本時間22日のロイヤルズ戦で3ラン2発に犠飛2本を放って自己最多の8打点をマークしながら、チームは一度もリードを奪えず負けた。長年にわたる補強や育成の失敗から、大谷がこのままエ軍でプレーしても「ヒリヒリする9月」を過ごすのは絶望的だ。巷間噂される金満の強豪球団に移籍すれば、ポストシーズンでのプレーも可能だが、これまで以上の困難が待ち受けている。二刀流を貫くのが難しくなるからだ。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「大谷がヤンキースやメッツのように戦力が豊富な球団に移籍すれば、投手、野手とも割を食う選手が出てくるだけに、軋轢が生じるでしょう。大谷が2018年にエ軍入りした際、それまでDHだったベテランのプホルスが不慣れな一塁守備に就くことになった。大谷の加入でチームを追われる選手も出てくるはずで、不協和音につながりかねない」
来季終了後、FAになる大谷の市場価値は400億円規模とはじく米メディアが少なくない。中には、プロフットボールNFLチーフスのQBパトリック・マホームズが20年に交わした10年総額5億300万ドル(約677億円)の北米プロスポーツ史上最高額を更新するとの予想まであった。
仮に新天地に移籍すれば、ニューヨークなどのいわゆるビッグマーケットのメディアやファンからのプレッシャーはハンパじゃない。今月中旬の自己ワースト(15打席)に迫る14打席連続無安打なんてことがあれば、同僚選手からのやっかみも含め、それこそ針のむしろだ。
「そもそも、大谷の加入で6人ローテを導入すれば、他の投手のコストパフォーマンスが低下する。二刀流の商品価値に魅力があっても、オーナーが大谷に多額の資金を投じることに首を縦に振らないはずです。大谷が二刀流を継続し、なおかつプレーオフ進出を望むのであれば、レンジャーズやブルージェイズなどの、ある程度、資金力がありながらも投手力が弱いチームを選ぶしかないでしょう」(前出の友成氏)
大谷の選択肢は限られそうだ。