“コロナ禍入学”の高校球児を待つ超酷暑…練習量半減で熱中症リスク高まる 高野連の対策は?
高校球児にとって、地獄の夏となりそうだ。
各地で過去最も早い梅雨明けを迎えるに伴い、ニッポンは記録的な「超酷暑」となっている。25日に群馬県伊勢崎市で40.2度を記録。30日は東京、名古屋で6月の最高気温の記録を更新するなど、全国100地点以上で同月の記録を塗り替えた。
そこで案じられるのが高校球児だ。すでに沖縄などで夏の地方大会が開幕。7月には全国各地で熱戦が繰り広げられる。
■18年甲子園は熱中症343人
夏はただでさえ高温多湿である上に、炎天下のグラウンドは体感温度が40度を超えるといわれる。2018年の甲子園の大会期間中には、選手、保護者らを合わせて343人が熱中症と診断された。今年は前代未聞の気温上昇により、例年以上の熱中症患者が出る、と指摘する専門家も少なくない。
危険なのはそれだけではない。
「今年の高校3年生はコロナ初年度の2020年に入学した世代だからです」とは、スポーツライターの美山和也氏だ。
「コロナ前と比べて球児の練習量は半減しているといっても過言ではありません。真夏の練習も満足にやっていない世代が主力になって迎える夏だから、熱中症のリスクは当然高まります。甲子園に出場する強豪校の球児の多くはシニアやボーイズ出身。もともと練習量が少ないから、入学後に厳しい練習を課すことで体力をつけさせるのが主流でした。しかし、繰り返された緊急事態宣言のたびに部活動が休止となり、感染リスク軽減のために練習時間、練習場所も限られた。走り込みがほとんどできなくなった学校もあります。昨夏は平年並みの気温でしたが、地方大会から選手の熱中症で試合が中断するケースが目につきました」