青木瀬令奈は4日間60台、通算14アンダーでV 好スコア続出の背景に主催者の思惑
【資生堂レディスオープン】最終日
青木瀬令奈(29)が4日間とも60台で回り、通算14アンダーで優勝した最終日。黄アルム(34)が64のトーナメントコースレコードを更新し、4日間アンダーパーは58選手と好スコアラッシュに沸いた。同じ会場で行われた2005年日本女子オープンは20歳だった宮里藍が史上最年少優勝で大きな話題になったが、この時の優勝スコアはただ一人アンダーパーの5アンダーだった。
同じゴルフ場で試合が行われ、どうしてスコアがこうも違うのか。
「スポンサーの意向で、ストロークコントロールはどうにでもできます」とツアー会場のセッティングに携わった関係者がこう解説する。
「グリーンにボールが着地した音でわかりますが、連日の高温でベント系の芝は元気がなくなり、軟らかくなっていました。コース側はコンパクションを硬く設定したといっても、ボールは止まりやすく、スムーズに転がり、一番スコアが出やすい。もうひとつ、ピン位置で難易度を落とすことも簡単です。ドローヒッターが多い女子プロの場合、例えばガードバンカー越えのグリーン右サイドで手前エッジから5、6ヤードのところにカップが切られるとチャンスにつけるのは難しい。最終日のピンシートを見たら、バーディーがたくさん出て、大会を盛り上げたい、という主催者の思惑がよく出ています」
くるぶしまで隠れる長いラフも、刈る向きによって難しさが違う。グリーンに向かって順目なら、今のクラブは進化しており、芝の抵抗が少なくグリーンを狙うことができる。会場でのプレー経験があれば、「あんなに簡単なコースだったか?」と、不思議な気分になるはずだ。