東京五輪は国民の運動習慣に影響与えず 市民のスポーツ実施率は増加なし=東大研究結果

公開日: 更新日:

 東京五輪パラリンピックの招致決定から昨年夏の開催までの間、決定前と比べて市民のスポーツ実施率は増えていないことが、東京大などの研究チームの分析で分かった。論文は6日、国際学術誌に掲載された。

 開催後の分析はこれからだが、研究チームの鎌田真光・東京大講師は「専門家の力も借り、自治体や企業などと一緒に普及戦略をつくり上げる議論ができていない。五輪という機会を逃しているのが現状だ」と指摘した。

 開催国・都市で市民のスポーツ参加が増えることは五輪の「レガシー(遺産)」の一つとされる。組織委員会は昨年12月に公表したレガシーに関する報告書で、成人の週1日以上のスポーツ実施率が、2016年の42.5%から20年の59.9%に増えたとしている。

 研究チームは、13年9月の招致決定の前後7年間(06~20年)に行われた複数の調査データを用い、国民全体や東京都民を対象に身体活動やスポーツ参加の状況を比較。その結果、国民の歩数、運動習慣、スポーツ実施率はいずれも招致決定前後で変化はなかった。

 都では09年以降、スポーツ実施率が増加したが、14年以降は変化がなかった。組織委の報告書で示された実施率増加は、途中で算出方法が変更されており、経年変化の分析に適さなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    生島ヒロシが“一発アウト”なら「パーソナリティー一斉退場」の声も…“不適切画像”送信降板とTBSラジオの現状

  2. 2

    東野幸治とハライチが春の番組改編で大ピンチ…松本人志、中居正広のスキャンダルでトバッチリ

  3. 3

    『いままでありがとうございました』

  4. 4

    カンニング竹山がフジテレビ関与の疑惑を否定も…落語家・立川雲水が「後輩が女を20人集めて…」と暴露

  5. 5

    フジテレビ日枝久相談役に「超老害」批判…局内部の者が見てきた数々のエピソード

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 8

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  4. 9

    フジテレビ問題が小池都政に飛び火! 東京都には数々の「日枝案件」…都議会で追及の的に

  5. 10

    フジテレビは日枝久氏を切れないのか? 取締役会で「辞任」に言及なし、トップ居座り決定