8月末トレード廃止の恩恵を受けた有原「昇格」と筒香「マイナー契約」のウラ事情
2018年までメジャーリーグには、7月末を期限とする「ノンウエーバートレード」と、8月末を期限とする「ウエーバートレード」が存在した。「ウエーバートレード」は球団間でトレードが行われる場合、まず当該選手をウエーバー公示しなくてはいけないという制度である。
ウエーバーにかけられた選手は、どの球団も獲得する権利があるため、トレードが成立すると困る球団が横取りすることが可能だ。
10年8月にパドレスがマーリンズから強打の外野手コディ・ロスをトレードで獲得しようとした際には、パ軍とナ・リーグ西地区の優勝を争っていたジャイアンツがウエーバーにかけられたロスを横取りしてしまった。
ジャイアンツの目的はあくまでもパドレスの補強を邪魔することにあり、ロスの使い道を決めていたわけではない。しかし、レギュラー右翼手のホセ・ギーエンの禁止薬物購入が発覚したため、ポストシーズンではその代役で起用され、持ち前の勝負強さをフルに発揮。地区シリーズでは2試合で決勝打を記録。
フィリーズとのリーグ優勝シリーズでは相手の2大エース、ハラデーとオズワルトから計3本のアーチを放ってシリーズMVPに。さらに、ワールドシリーズでも1本追加して、世界一に貢献。一躍、人気者になった。