(2)村上宗隆との邂逅 二軍監督時代に「未来のスワローズの4番はこの男しかいない」と
優勝したヤクルトだが、7月はコロナ陽性による離脱者が相次ぎ、8月に入っても調子が上がらなかった。その危機を救ったのが、村上宗隆(22)だった。
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8月、村上のバットは火を噴いた。月間打率は.440、本塁打12本、打点は25。出塁率は.588で、打席に立てば半分以上は出塁。この時期から敬遠も増えつつあったが、村上は黙って耐えた。「とにかくチームの勝利に貢献するのが僕の仕事ですから」と揺るがない。22歳にしてチームリーダーにふさわしい風格を備えている。
村上は高卒5年目にして三冠王をうかがう最高の打者へと成長したが、ヤクルトでなければ、この域に到達するまで、もう少し時間が必要だったかもしれない。
■それは二軍監督時代から始まった