岡田新監督は阪神再建に意欲満々だが…「2年契約」が呼ぶ憶測、くすぶる“お家騒動”の火種
親会社と球団の相違
一方で、近日中に発表される「第2次岡田内閣」を懸念する声もある。
在阪の各メディアによると、ヘッドコーチには平田勝男二軍監督(63)が昇格。12~15年に一軍監督を務めた和田豊テクニカルアドバイザー(60)が二軍監督に就任する。阪神OBが言う。
「岡田監督は阪神、オリックス監督時代からトップダウン型のやり方。しかも、親会社・阪急阪神ホールディングスのトップである角会長のお墨付きもあって、監督に就任した。すでに戦々恐々とするコーチもおり、軋轢が生じる可能性もある。今回の監督人事を巡って、球団は平田二軍監督の昇格案を温めていた。親会社と球団との間で人選に相違があったとされる。2人は現役時代、二遊間を組み、平田ヘッドは第1次岡田内閣でコーチを務めた経験があるが、監督の椅子を争った者同士、緊密な意思疎通が図れるのか。和田二軍監督もフロント主導の人事ですから、一、二軍の連携にも不安が残ります」
しかも、岡田新監督の任期は2年といわれている。矢野前監督は3年契約で、フロントは就任当初から長期政権を視野に入れていた。16~18年に監督を務めた金本知憲元監督は18年、最下位に低迷したため、新たに3年契約を結んだ1年目にもかかわらず、解任された。阪神の監督の任期はあってないようなものとはいえ、「2年」という契約期間は臆測を呼ぶ。
■藤川、鳥谷らは様子見
「チーム再建とともに期待されていた『指導者の育成』は頓挫しかねません」とは、古株のOB。
「親会社と球団は岡田新監督の下、05年の優勝メンバーをコーチに招聘し、次代の幹部候補を育てたい意向がある。二軍投手コーチだった安藤、久保田が一軍投手コーチに昇格、今岡は一軍打撃コーチとして17年以来の復帰が内定している。しかし、岡田監督が声をかけた鳥谷、赤星ら当時の主要メンバーは入閣せず、藤川もフロント入りが内定した。彼らは岡田新監督就任を巡る経緯を知っている。万が一、岡田監督が来年、再来年と結果を残せなければ、平田ヘッドの昇格や、和田二軍監督の再登板が浮上する可能性がある。今、コーチになれば、『お家騒動』に巻き込まれ、火の粉をかぶるかもしれない。05年優勝メンバーの多くは、岡田新体制を様子見しているフシがあります」
火種がくすぶる新生岡田阪神。新指揮官は何より、短期的な結果が求められそうだ。