阪神監督人事の暗闘…15年ぶり岡田再登板は「阪急主導」、球団の「平田昇格案」は潰された
15年ぶりの再登板となる。
今季限りで矢野燿大監督(53)が退任する阪神の次期監督に、2005年優勝監督で阪神OBの岡田彰布氏(64)が内定した。岡田氏は就任に前向きで、シーズン終了後に正式に発表される。
岡田氏は04~08年の5年間、一軍監督を務めて05年にリーグ優勝。10年からオリックスで3年間監督を務め、歯に衣着せぬ評論はファンの支持を得ている。
「経験豊富な岡田氏の再登板は、以前からくすぶっていました」
とは、阪神OB。
「矢野監督がキャンプイン前日に退任を表明。それを受けて、親会社、フロントは後任監督探しを本格化させた。矢野監督は19年に就任して以降、昨年まで3年連続でAクラス入り。昨季はヤクルトと最後まで優勝を争った。しかし、20年には開幕から2勝10敗と大コケするなど、成績に波があった。采配、選手起用を疑問視する声は藤原崇起オーナーだけでなく、親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫会長の耳にも届いていました」
■阪急・角会長との深い縁
今季も開幕から17戦1勝と歴史的な低迷に陥った。6月末には角会長が重鎮OBの吉田義男氏を交えて岡田氏とゴルフをし、その後、会食していたと週刊新潮に報じられた。角会長と岡田氏はともに早大出身でかねて親交が深い。
岡田氏は同誌の直撃に「本当の要請じゃない」としつつも、角会長から次期監督の就任要請があったことをにおわせ、「鳥谷(敬)と藤川(球児)に関しては(名前が)出とったよ。俺もビックリしたけどな」と、会談が来季の組閣人事にまで及んだことを明かしていた。
「金本知憲、矢野燿大と外様出身の監督が2代続いたこともあり、親会社、球団内では生え抜きOBである岡田氏の再登板が既成事実化していった。角会長はリーグトップクラスの戦力を擁しながら、勝ちきれない現状を憂慮。経験豊富な岡田氏に再建を託すとともに、その先のポスト岡田を見据えて、今岡真訪、藤川球児、鳥谷敬、赤星憲広、桧山進次郎といった05年優勝メンバーを首脳陣に迎え入れたい」(前出の阪神OB)