ドラフト「指名漏れ」アレコレ…プロは“2位縛り”選手を誰一人として指名しなかった
本来はそれなりの実力があって、すでに社会人に受け皿が用意されている選手が対象で、例年は2、3人くらい。それでもプロが「2位縛り」の選手を強引に4位くらいで指名して、プロ入りする、しないでスッタモンダするケースがあるんだけど、今年は例年以上に縛りをかけた選手が多かったんでビックリさ。
オレが聞いているだけでも六大学の左腕がそうだし、関西の大学生は5、6人、西の方の高校生までが〇位以下なら社会人って言ってたらしい。
さらに驚いたのは、そうやって何位以下なら社会人ってタンカを切った連中を、プロがだれひとりとして指名しなかったことだ。
プロにとって社会人とのパイプはもちろん大切だが、何が何でも欲しければ「2位縛り」の選手を4位とか5位で指名することだってある。それすらしなかったのは、プロが「2位縛りなら、どうぞ社会人へ行ってください」と判断したということさ。
「プライドが高くて自身を過大評価してる選手も中にはいるんだろうが……」と、部長はこう言った。
「社会人が早い時期から素材の良い大学生に目を付けていて、さっさと内定を出したんだろう。だれもが認める実力の持ち主ならプロ一本に絞れるけど、コロナ禍で練習が制限され、春先の時点で結果を出した選手はそう多くない。社会人に決めておいて、あわよくばプロも……という連中が多かったということじゃねーか」
ともあれ、例えば2位縛りの選手を4位で指名した際の担当スカウトは大変さ。オレは食らい付いたら離さない、なんて言われてるようだけど、ややこしい仕事をせずに済んだのは救いだね。
(プロ野球覆面スカウト)