「森保J困惑」スペイン主力温存は“追い風”にはならない W杯の歴史が証明するボロ負けパターンも
ブスケツ代役はマンCボランチ、追加招集バルサ19歳も虎視眈々
「むしろ逆でしょう」と元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏がこう言う。
「中盤の要ブスケツが温存され、これまでの2試合はCBだったMFロドリ(26)がアンカーに入るようですが、そもそも彼は所属先のマンチェスターCではボランチとしてプレーしており、戦術眼の確かさ、パス出しの能力の高さは折り紙付き。ブスケツと遜色のないパフォーマンスが計算できる。18歳のガビに代わって中盤の<逆三角形>の一角に入る30歳のコケは技術が高く、左右両足で精度の高いパスを出せる。運動量も豊富でダイナモ的存在。若手に定位置を奪われ、レギュラー奪還のためにアグレッシブにプレーするでしょう」
■グループリーグ3戦目の強豪国“控え組”の本気
六川氏が続ける。
「左SBのDFアルバ(33=バルセロナ)に代わって、先発が予想される19歳のバルデを含め、ここまでの試合でスタメンから外れた選手は、日本戦でチーム内序列を上げようと奮闘する分、森保ジャパンにとって<かえってやりづらい相手>となる。相手の分析を含めて、むしろ日本は困惑していると思います」
■06、14年大会はいずれも1-4
これまでのW杯でも似たようなケースが2度あった。2006年ドイツ大会では、グループリーグ1分け1敗で勝利が必要な日本が、2連勝ですでに決勝T進出を決めていたブラジルと対戦。戦前は「ブラジルは大部分のメンバーが補欠。本気じゃないから勝ち目はある」との見方が大半だったが、控え組が多く入ったブラジルに集中砲火を浴びて1-4とボロ負けした。
14年ブラジル大会も06年同様、1分け1敗で3戦目を迎えると、こちらも2連勝で決勝T進出を決め、主力を温存したコロンビアに1-4と大敗。まるでデジャビュのような同じ結果となっている。
「グループリーグ3戦目の強豪国は、本気を出してくる控え組が怖い」というのは歴史が証明している。