森保マジック再び“衝撃の142秒”でスペイン粉砕! 9月「3つの決断」でW杯の用兵采配が激変
これまで数度しか試していないシステムを採用
試合開始と同時にスペインが長短のパスを小気味よくつなぎ、日本選手はボールに触ることもできない時間帯が続いた。
前半11分の失点シーンは、相手エースFWを吉田麻也と板倉滉の主軸DFがマークを外したことが原因だった。MF鎌田大地とMF久保建英はボールを前に運べず、MF守田英正もミスが目立って日本はチャンスらしいチャンスすらつくれなかったが、ドイツ戦と同じように後半から森保采配が一気に形勢を逆転させた。
「W杯本大会の森保監督は、W杯予選の頃とは別人のようです」とワールドサッカーグラフィック元編集長の中山淳氏がこう続ける。
「9月のドイツ遠征での選手起用、采配などを通して感じたことなのですが、森保監督は<負けを恐れない><結果について全責任を負う><前向きな采配を振る>ことを決断したと思う。スペイン戦は開始から3DFで臨みましたが、これまで数度しか試していないシステムを大一番で採用した。堂安、三笘の投入のタイミングも早かったし、DF冨安やMF遠藤の投入も実に効果的だった。森保監督は東京五輪やW杯予選、テストマッチで培った経験を血肉にし、少なからず『やるべきことはすべてやった』と良い意味での開き直りも奏功した。コスタリカ戦敗戦のショックから選手の精神面を立て直した森保監督のチームマネジメントも見事です」
決勝T1回戦の相手クロアチアは、前回大会準優勝の強豪だが、今の日本代表の勢いをもってすれば、日本初のベスト8入りも見えてきた──。