吉田正尚「5年123億円」Rソックス入りの全内幕 なぜ交渉解禁から数時間でスピード決着?
オリックスからポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた吉田正尚(29)が日本時間8日、レッドソックスと合意した。
大リーグ公式サイトによれば、5年総額9000万ドル(約123億2000万円)で、譲渡金は1537万5000ドル(約21億円)。
年俸総額は昨オフ、カブスと5年8500万ドル(当時のレートで約100億5000万円)で契約をした鈴木誠也(28)を抜いて移籍1年目の日本人野手最高額を記録した。年換算で1800万ドル(約24億6000万円)となり、今季年俸に当てはめるとチームの野手ではホズマー、ストーリー両内野手の27億3000万円に次ぐ高給取りだ。
レ軍はヤンキース、ドジャースと並んで資金力豊富な球団の一つとして知られ、日本人外野手にかつてない破格の条件を提示したことになる。
■老舗名門球団が大枚はたいた裏事情
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「今季のレッドソックスはリードオフマン不在にあえぎ、ファム(出塁率.305)、E・ヘルナンデス(同.275)らは1番打者として機能しなかった。吉田は昨季から2年連続でパ・リーグの最高出塁率をマーク、ラインドライブで広角に打ち分けるタイプでもあり、二塁打の量産も期待できる。レ軍のブルームGMは統計学やデータを駆使して選手補強を行うレイズの野球運営部門で重役を務めてきた。レイズ時代に培った独自の指標で吉田を分析した結果、得点力アップが見込めると判断して、120億円超の金額をはじき出したのでしょう」
吉田は出塁率の高さに加え、今季の三振率8.1%はパ・リーグ最少だった。単純に比較できないものの、今季のメジャーで吉田よりも三振率が低いのはツインズ・アラエス内野手(7.1%)のみだ。
「左翼で起用される見込みの吉田は守備に不安があるとはいえ、本拠地フェンウェイパークの左中間は116メートルと狭く、グリーンモンスターと呼ばれる左翼フェンスは11.3メートルと高い。さほど広い守備範囲を求められているわけではない。レ軍幹部は守備にはある程度、目をつぶって、とにかく出塁を求めるでしょう。レ軍特有の事情から、守備に難がある吉田でも好条件を手にできたと思う」(友成氏)
吉田は再建中のレ軍打線を牽引できるか。