藤浪を見限るのも早い?「マネー・ボール」を体現したB・ビーン氏のドライな選手評価指標
ビリー・ビーン(シニアアドバイザー・60歳)
統計的手法である「セイバーメトリクス」をいち早く取り入れ、徹底したデータ重視の補強策でMLBに革命をもたらしたのがこの人。
それまで軽視されがちだった出塁率に着目し、長打力と選球眼を重視した独自の補強を展開。四球を好み、バントや盗塁を嫌う戦術などを記した「マネー・ボール」は全米でベストセラーとなり、後にブラッド・ピット主演で映画化されて話題を呼んだ。
ビーン氏は1980年のドラフト1巡目(全体23位)でメッツ入団。走攻守三拍子揃った外野手として将来を嘱望されながら、メジャー通算6年間で148試合の出場に終わり、アスレチックスでユニホームを脱いだ。スカウトの目でなく、数字を重視した戦略は自身の体験が大きい。
現役引退後は自ら希望してスカウトに転身し、97年にGMに就任。低予算で運営するチーム方針に沿った「マネー・ボール」を展開し、チームは2000年から4年連続ポストシーズン進出を果たした。当時、チームを指揮したアート・ハウ監督は「ビーンGMの操り人形」と揶揄され、現在では当たり前になったフロント主導によるチーム編成を取り入れた。ここ5年で3度プレーオフに進出するなど、依然としてチームはコンスタントに結果を出している。