全豪初Vサバレンカはベラルーシ出身 新女王誕生の裏で揺れるウィブルドン決断の行方
テニスの4大大会の第1弾、全豪オープンが幕を下ろした。男子はジョコビッチが決勝で若手の旗頭チチパスを倒し、大会通算10度目の優勝、メジャー制覇22回でナダルの歴代通算記録と並び世界ランク1位に返り咲いた。非ワクチンによる追放からの復帰に王者が号泣する劇的フィナーレ、それに先立つ女子決勝も近来まれに見る好ゲームだった。
第5シードのアリーナ・サバレンカが、昨年のウィンブルドンの覇者エレナ・ルバキナに逆転勝ち。肉感あふれるサバレンカの強打とルバキナの鞭のようにしなる配球が錯綜し、マッチポイント4本の緊迫のやりとりが圧巻……最後まで分からない展開だった。
24歳と23歳の実力者同士。メジャー初制覇のサバレンカもこれまでメジャー4強が3度。大坂なおみ以降混沌としていた勢力図は、この2人とナンバーワンのイガ・シフィオンテクが軸と見ていいが、問題はある。
サバレンカはベラルーシ出身──ロシアのウクライナ侵攻以後、ロシアとベラルーシ出身の選手の活動は制限されているのだ。男女のツアーは国名を伏せて受け入れているが、ウィンブルドンは昨年、英国政府の強硬姿勢を受けて両国選手の出場を認めなかった。