侍J3度目Vは栗山監督の温情采配が足かせ…骨折の源田を外さず、一発勝負で情を捨てられるか
WBC1次ラウンドを4連勝でイタリアとの準々決勝進出を決めた侍ジャパン。ここからは負けたら終わりの一発勝負だ。予備登録メンバーを含めた「50人全員で戦う」と話している栗山英樹監督(61)の采配がより重要になってくる。
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1次ラウンドで腰の違和感を訴えていた栗林良吏(26=広島)がチームからの離脱が決定。代わってオリックスの山崎颯一郎(24=オリックス)が緊急招集される。栗林は貴重な守護神候補だったが、栗山監督は「腰に張りがあったので、こちらで止めている状況」と説明していた。
「栗山監督は10日の韓国戦の前、テレビ解説のためにグラウンドを訪れていた広島の新井監督を見つけるや真っ先に謝罪。新井監督の方が恐縮していました」(代表関係者)
手負いでも残る選手もいる。韓国戦の三回にヘッドスライディングで帰塁した際に右手小指を骨折した源田壮亮(30=西武)である。本人の強い意志で残留が決まったという。
栗山監督は12日の豪州戦前に「昨日も今日もいろんな話をしている。前に進んで行くだけ」とキッパリ。白井ヘッドコーチも「守備は思った以上にプレーできている。彼の守備力は侍には欠かせない。ゲーム復帰して戦力として考えている。それ(入れ替え)は全く考えてない」と明言していた。
源田は右手小指にテーピングをして12日の試合前練習でキャッチボールを行い、遊撃守備に就いて一塁へ送球も行った。5年連続ゴールデングラブ賞を誇る名手は今後、守備固めや代走要員として控えることになるというが、巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言った。
「故障者は入れ替えられるルールがある。なんのために50人という登録枠があるのか。そこから他の遊撃手を呼ぶなりするべき。左打者にとって引き手になる右手の指の骨折は打撃への影響が大きいので、打つことはできないでしょう。練習で投げたというが、投げる方の指でもあるし、本来の送球ができるかも怪しい。選手生命に影響が出る可能性だってある。ここまで内野の要として戦ってきた源田は『残ります』と言うかもしれないが、メンバーは30人と限られている。そこをなだめて説得するのが監督の仕事です」