花巻東・佐々木麟太郎に「進学説」が急浮上! 父親でもある監督の意向、大学側も大攻勢
本人の気持ちに変化
父親の助言もあって当初は麟太郎本人も進学かプロ入りか逡巡していたようだが、そんな状況に変化が表れたのは今年に入ってからだという。
「本人のプロ志向に火が付いた。卒業と同時にプロにチャレンジしたい気持ちが強くなったというのです。佐々木監督は最終的には本人の意思に任せるつもりのようですけど、基本的に大学に行かせたい気持ちに変わりはない。意見が食い違うというか、最近は麟太郎と佐々木監督がうまくいっていないというウワサまであります」(前出のスカウト)
進学させたい父親の佐々木監督に、高校から直接プロ入りしたい麟太郎。最終的にはどうなるのか。
セ・リーグの別のスカウトの見立てはこうだ。
「DHのないセの球団はともかく、パのほとんどの球団は高校から直接、プロ入りするとみています。愛知の招待試合のスタンドには、スカウト部長どころかパの球団の編成責任者の姿もありましたから。その責任者は進学説を一笑に付し、『大学? あり得ないよ。プロでしょう』と話していましたからね。一塁しか守れないとはいえ、パはDHがあるし、パンチ力があって、なおかつ逆方向にも本塁打を打てる技術を備えている。知り合いのパのスカウトは、現時点で球団の1位候補リスト12人の中に麟太郎の名前も入っていると言っていたし、パは他に1位でいく球団もあるでしょう。指名は間違いなく競合するでしょうね」
■高校2年生からツバ
その一方で、大学側が攻勢をかけ続けているのは、進学の可能性が消滅していないからに他ならない。
「プロはプロ志望届が提出された後でなければ接触できないが、大学に制約はない。早いところは高校2年生のうちからツバをつけて、本人にも進学を公言させ、プロをシャットアウトさせる。他球団以前に大学を警戒する球団は多い。中でも東京六大学は高校生を子供にもつ親御さんたちにとって、知名度も人気も抜群ですから」とはアマチュア野球担当記者だ。
ともあれ、春の東北大会で敗れた花巻東は、次に夏の甲子園大会を目指すことになる。地方大会や、地方大会を勝ち抜いた場合の甲子園大会の結果も、あるいは麟太郎の進路に影響を及ぼすかもしれない。
いずれにせよ、麟太郎をめぐるプロと大学の水面下の“綱引き”から目が離せなくなった。