Rソックス中軸に定着した吉田正尚を評価できなくても、我々が責任を取らされることはない
本拠地のフェンウェイパークは、本塁から左翼フェンスまでの距離が95メートルと極端に短く、左翼手の守備範囲はメジャーで最も狭い。それだけに守備に難のある吉田でもこなせるとレッドソックスはソロバンをはじいたのだろう。左翼手に守備力が要求される本拠地球場をもつ球団は、とてもじゃないがレッドソックスほどの金額は出せない。つまり吉田にあれだけの投資ができたのはレッドソックスだからなのだ。
さて、松井がうなったくらいだから、吉田の活躍をまったく予想できなかったスカウトも中にはいただろう。あるいはメジャーへ行ったら成績はガクンと落ちると報告したスカウトもいるのではないか。
しかし、吉田を評価しなかったからといって、スカウトが責任を取らされるようなことはまずない。昨今は、ほとんどの球団が、補強を合議制で行っているからだ。
我々の評価だけで選手を獲得するわけではないとはいえ、データ全盛だからこそ、我々スカウトは数字に表れない部分も突っ込んで調査、選手を評価すべきだと思っている。
(メジャーリーグ覆面スカウト)