巨人“格差トレード”でロッテ小沼獲得の深層…原監督の頭の中は「今季逆転Vより来季続投」
「石川を出すなら、もう少しいい“商売”ができたはずですけどね」
さるセ・リーグ球団編成担当のセリフである。
■「逆転Vへの即戦力にはならない」
3日に発表された巨人の外野手・石川慎吾(30)とロッテの投手・小沼健太(25)のトレード。巨人が一軍で365試合出場の実績がある石川を放出して獲得したのが一軍通算25試合で防御率6.68の育成出身右腕とあって、「ネット上で『格差トレード』と騒がれているようですが、私も正直、驚いた。石川は日本ハム、巨人でレギュラーを獲得するまでには至らなかったとはいえ、パンチ力のある打撃を武器に二軍では一昨年まで5年連続で打率3割超え。今季も47試合で打率.358、4本塁打、26打点と打ちまくっていた。外野の選手層が厚い巨人では余剰戦力になっていたから、数年前から他球団の編成担当の間では1番人気でした。小沼はMAX151キロの真っすぐとフォークを武器にする身長189センチの大型右腕ですが、今季は二軍でも15試合で防御率4.24(0勝2敗2セーブ)。将来的には化ける可能性はあっても、巨人の逆転優勝に向けた即戦力のピースになるかと言えば疑問ですよね」と、首をかしげるのだ。
実際、球界では「巨人がまた迷走」と見る向きが多い。巨人は5月に内野手の広岡大志を交換要員にオリックスから中継ぎ投手の鈴木康平を獲得したが、その広岡はそもそも2021年にヤクルトとのトレードで獲得した選手。交換要員は今やヤクルトの守護神で昨年までのリーグ連覇に貢献した田口麗斗だった。
20年9月にはドラフト1位の澤村拓一をロッテに放出して香月一也を獲得し、これも「格差トレード」と話題になったが、結果は周知の通りだ。もともと今回の石川も移籍選手で、代わりに日本ハムに行った大田泰示(現DeNA)は新天地で毎年のようにキャリアハイを更新するなど、巨人のトレードは成功例より失敗例の印象が強いのは確かだ。