日大アメフト部寮を再び家宅捜索…大学側の虚偽説明と事後報告で疑われる“底なし薬物汚染”
先延ばしの間に証拠隠滅も可能
「アメフト部の寮内で部員が大麻を吸っている」
こんな情報が警視庁に寄せられたのは、今年6月のこと。警視庁は6月30日と7月6日の2回にわたり、日大に対応を要請したが、日大サイドが「学内で徹底調査をさせてほしい」と申し出たため、大学側に一任。
ところが、いつまで経っても日大から報告がなく、シビレを切らした警視庁は7月18日午前、「調査の中間報告をしてほしい」と電話で催促。同日夜になってようやく、同大から「7月6日に寮内で所持品検査をし、薬物とみられるものが見つかった」と「事後報告」があった。
澤田康広副学長は7月6日に寮で薬物を発見した際、「大麻のカスかもしれない」と認識しながら、警察に通報せずに違法薬物をそのまま12日間、保管していた。通報しなかった理由について、警視庁から「犯罪事実が認められたら、自首させてほしい」と言われていたと説明したが、警視庁幹部は「そんなことを言うわけがない」と不快感を示している。
事態を重く見た文科省は日大に対し、検証委員会を設置して警察への通報が遅れた経緯を調べるよう要請している。
「澤田副学長は昨年11月、大麻使用を申告したアメフト部員を処分しなかったことについて、警察関係者から『事実の立証が難しい』と言われたからと説明していた。澤田副学長が相談していた警察関係者というのは、薬物担当者ではなく、ただの日大OBの警察官だった。
しかも、そのOBは『そんなことは言っていない』と副学長の発言を否定しています。警視庁から情報提供があった段階で、なぜ捜査を任せなかったのか。何かを隠さなければならない事情でもあったのか」(捜査関係者)
大麻は、本人や周囲が「使用した」と正直に申し出ても、所持していない限り、罪には問われない。大学側がモタモタしている間に証拠が隠滅されていたとしたら、大問題だ。