羽黒山が妻の訃報を受けても務めた横綱土俵入り「帰ったらお経が始まっていた」

公開日: 更新日:

 夏巡業がまもなく終わる。コロナ禍の中断を経て3年ぶりに再開された昨年は5カ所だったが、今年は18カ所に増え、名古屋場所を途中休場した照ノ富士も初めから参加している。腰などに故障を抱える力士にはバス移動がこたえる旅だ。

 横綱は土俵入りも負担だというが、体調不良を押して巡業に参加している横綱に、勧進元が「土俵入りだけでも」と頼むこともよくある。

 体調不良だけではない。羽黒山は終戦翌年の1946年4月、巡業先の山口県岩国市で夫人急死の電報を受け取った。夜のうちにたとうとしたが、嵐のため電車が不通で、乗ったのは翌日の急行。その時の状況を生前、著作家・小島貞二氏との対談で明かしている。

「勧進元が、どうしても土俵入りだけはしてくれって言うもんだから土俵入りして飛び乗ったです」。同じ立浪部屋の双葉山が引退した直後でもあった。

「東京に帰ったのは、女房が死んだ次の次の日。わしが部屋に入ったら、ちょうどお葬式の最中。お経が始まっていたところでした」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇