著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

ベルギー1部の伊藤涼太郎は「短期間で新天地に行けるようにしたい」と野心を露わにした

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「でも、もう問題ない。本当にこれからなんです」

 飽くなき向上心を持つ伊藤にとって、シントトロイデンからのオファーは願ってもない話だった。

「ベルギーに来る前に(トルステン)フィンク監督と面談した時も『前目のポジションで使いたい』と言ってもらえて、サッカーへの考えもマッチした。ゴールだけじゃなくてアシストやビルドアップにも関われる僕の特徴を大いに生かせると前向きに感じました。それにベルギーという国から欧州5大リーグに飛躍している選手も多い。シントトロイデンからも遠藤航選手(リバプール)、鎌田大地選手(ラツィオ)、冨安健洋選手(アーセナル)がステップアップしています。25歳の自分に時間的余裕はありません。今季2ケタ得点.2ケタのアシストという結果を残して、短期間で新天地へ行けるようにしたいと思ってます」と本人は野心に満ち溢れている。

 その大きな一歩となったのが、冒頭のメヘレン戦の初ゴール。これまで何度も決定機を迎えながら決められなかっただけに、彼自身も心から安堵したに違いない。

「正直、点を取って少し気が楽になった。もっと多くのゴールを取れるし、アシストも記録できるという確信も持てました。ベルギーに来て、ボール技術は日本の方が上かもしれないけど、強度は全然違います。その分、シュートやトラップの正確さを引き上げないとダメ。素早い判断も求められるなと痛感しています。本拠地のピッチも人工芝で感覚に慣れるのに時間がかかりましたね。でも、もう問題ない。本当にこれからなんです」と伊藤は目を輝かせる。

 9月12日のトルコ戦(ゲンク)を実際に現地観戦し、日本代表の現在地もしっかりと目に焼き付けた。

 彼がその青いユニフォームを身にまとう姿をぜひ見てみたい。10月4日の次のメンバー発表に期待したい。

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