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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

“忍者”町野修斗が目指す 新天地ドイツ2部からCLレベルのクラブへのステップアップ

公開日: 更新日:

「できれば半シーズンで2ケタゴールを」

 願いが現実になったのは今年7月。ドイツ2部のキールから熱烈なオファーを受けたのだ。

「欧州移籍に当たっていくつか候補がありましたけど、キールは特に熱心だった。今、欧州にはチームスタイルに選手がどれだけ合うか、を測るデータシステムがあるらしいんですが、キールにとっての僕は90%以上のマッチ率だった。クラブ首脳との面談でも『キミはそのままのプレーをしてくれればいい』と言われ、迷わず決断できました」と彼は言う。

 7月初旬に赴いてからの適応もスムーズで、7月30日の開幕・ブラウンシュバイク戦から先発。2戦目のフュルト戦、4戦目のシャルケ戦でゴールを挙げ、上々のスタートを切っていた。

「ドイツ2部はチームごとにスタイルが全然違うので(マルセロ・ラップ)監督は毎回、対戦相手を徹底分析して、ミーティングで戦い方を伝えてくるんです。僕はドイツ語が分からないんで、英語で通訳されているんですけど、両方ほぼできない(苦笑)。『個人ミーティングが必要なら言ってくれ』とも言われているので、自分から行くようにしています。そうやって早く戦術を理解し、周囲との連携を向上させ、今季2ケタゴールの目標を達成させたい。できれば半シーズンでそこまで持って行ければ理想的ですね」と彼は野心を前面に押し出す。

 直近9月30日のカールスルーエ戦は今季初の控えとなったが、FWは山あり谷ありが当たり前。かつてドイツ1部・マインツ時代に2年連続2ケタ得点の偉業を達成した岡崎慎司(シントトロイデン)も、ゴール量産を始めたのは10月以降。苦労人の町野も同じ系譜を辿ってほしいところだ。

「2026年W杯イヤーにはCL出場レベルのクラブに所属しているのが僕の目標。なので、正直、あまり時間はない。自分は成長曲線が遅いという危機感があるので、本当にこの1年に勝負を賭けないといけない。遅くとも来夏にはステップアップするくらいの勢いがないとダメだと思います」

 明確なターゲットを定めて貪欲に前進を続ける町野。日本代表で再び忍者ポーズが見られる日を楽しみに待ちたい。

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