過熱ぶりに取材NO! 阪神・岡田監督をピリつかせる「日本Sの鬼門」と「オリックスとの因縁」
「出とったなあ。どっかだけ。びっくりしたわ」
去る23日、甲子園での練習後、報道陣の取材に対して阪神の岡田彰布監督(65)が驚いた表情でこう言った。
28日に開幕するオリックスとの日本シリーズに向け、一部スポーツ紙が第2戦の先発は西勇輝(32)が濃厚と報じたからだ。
今年の1、2戦はオリックスの本拠地・京セラドーム開催。オリックスでプレーしていた西勇にとって京セラドームは勝手知ったる球場だ。岡田監督は「いや、西、2戦目ちゃうで。何言ってんの? まだわからへんよ」と、けむに巻いたが、情報漏れを警戒し、ピリピリムードを漂わせているという。
ただでさえ59年ぶりの関西ダービーとあって、開幕前から在阪メディアを中心にお祭り騒ぎが続いている。18年ぶり優勝の立役者である岡田監督も、その一挙手一投足が注目されている。普段は報道陣とフランクに接する指揮官だが、メディアの過熱ぶりにクギを刺す意味もあってか、24日の練習時は取材をシャットアウトしたという。
岡田監督にとって日本シリーズは鬼門といっていい。現役時代を含めて4度経験しているが、日本一になったのは、阪神選手時代の1985年のみ。監督、コーチとしては三塁コーチを務めた2003年、監督として率いた05年といずれも敗れている。
特に05年は、ロッテ相手に第1戦から3試合連続10失点で大敗するなど4連敗で終戦。当時セ・リーグはCSがなく、公式戦終了から中16日と間隔が空いていたのを差し引いてもトータルスコア「4-33」での惨敗に、当時の岡田監督は「打つ方が心配やったが、その通りになった。4試合とも一回も勝ち越せなかった」と、ショックを隠しきれなかった。
■CSで貧打露呈
貧打といえば、今年も不安を抱えている。広島とのCSファイナルステージは3連勝で制したものの、いずれも3点差以内の接戦だった。打線は、打率5割(10打数5安打)をマークした木浪以外は軒並み低調だった。
上位打線で打率2割に達しているのは、森下(10打数2安打1本塁打2打点)1人だけ。近本(11打数1安打、.091)、中野(同)、大山(9打数1安打、.111)、佐藤輝(12打数2安打、.167)といずれも本調子には遠い。12球団屈指の投手陣を擁するオリックス相手だけに、岡田監督でなくとも不安は募る。