阿部新監督への“ご祝儀”で巨人が飽くなき補強 楽天・松井裕樹を“本命”に救援投手3人狙い
2年連続Bクラスに沈み、阿部慎之助監督(44)が就任した巨人。いきなり新監督に恥をかかせるわけにはいかないだけに、今オフはあくなき補強に乗り出す──。
■7年間手を焼き続けたDeNAの剛速球
まずはDeNAのエドウィン・エスコバー(31)だ。2年契約2年目が終了し、7年間在籍したDeNAを退団する方向だという。今季はセットアッパーとして40試合に登板し、2勝1敗、防御率4.55といまひとつだったものの、巨人戦は8試合で防御率0.00。打者25人に対し、10奪三振と「キラー」ぶりを発揮した。
その巨人の救援防御率は、12球団ワーストの3.83。守護神の大勢が故障で長期離脱し、復帰後も安定感を欠いた。計算できるのは、抑えも務めた中川くらい。長年エースに君臨した菅野のリリーフ転向案まで出ただけに、今オフは「救援投手」が最重要補強ポイントとなっているのだ。
さらに「左投手」も手薄とあって、リリースとなりそうな左腕・エスコバーの獲得調査に乗り出すという。さる球界関係者がこう言った。
「この7年間、巨人はエスコバーの160キロ超えの剛速球に手を焼いてきた。契約が切れた2年前も調査して移籍の可能性を模索している。制球に難のあるタイプで原監督好みではなかったが、捕手出身の阿部監督に代わり、秋季練習では『ど真ん中に投げろ』と若手投手を指導している。『真ん中狙いの強い球が適度に散る方が相手にとって怖い。細かいことは気にしないで、強い球を投げ込め』という考えの阿部監督が求める投手。それに日本球界で実績があるのは安心感があります」
DeNAとの契約が切れるバウアーを獲得するには何十億円も必要になるが、エスコバーの今季年俸は2億円と助っ人にしては手頃。過去には同じ年のオフに、横浜からクルーン、ヤクルトからグライシンガー、ラミレスをトリプル補強し、リーグを制覇したこともある。もともと日本球界で実績を積み上げた助っ人を獲得する「横滑り補強」は巨人の専売特許。最近は新規の助っ人を獲得しても外れることが多いだけに、なおさらだ。