ラグビーW杯 南アHOムボナンビ人種差別発言不問の裏にWRの「オールブラックス憎し」
決勝で南アと対戦するニュージーランドは反北半球の急先鋒といわれる。WR理事会でもボーモント会長の政策に対して何かと反発を繰り返してきた。今回、南アHОの出場を認めたのは、そんなニュージーランドの優勝を阻止したいボーモント会長による策略と見る関係者は少なくないのだ。
ムボナンビは南アのメンバーで唯一、HОが本職。FW第一列としてスクラムやラインアウトのスローワーなど重要な役割を担う。HОと他のポジションと兼任する選手はいるものの、本職が出場停止となれば、南アの戦力ダウンは避けられず、ニュージーランドの有利になりかない。ボーモント会長の母国であるイングランドの選手が差別被害に遭ったとはいえ、いまさら準決勝の結果が覆るわけではないため、南アのHОを不問に付して後押しした方が得策と判断したとの見方だ。
南アの主力FW欠場で、大会のハイライトとなるニュージーランドの一方的な展開になるのを避けたいWRの思惑も透けて見える。
南アはWRとニュージーランドの対立によって最悪の事態に陥るのは避けられたと言ってよさそうだ。