新入幕・東白龍は長く悩んだ「あと一歩」にようやく届く…それでも課題は勝負弱さの克服
東白龍雅士(27歳・玉ノ井部屋・前頭15枚目)
派手さはないが、実力はある。
翔猿や剣翔、千代大龍らさまざまな力士を輩出した葛飾白鳥相撲教室出身。子供の頃から体が大きかったが、当時の憧れは4歳年上で小兵の翔猿。土俵内を所狭しと動き回って相手を翻弄する相撲を真似してみたところ、これが大いにハマった。
この時、覚えた「突っ張って追い込んでからのはたき込み」は、現在も得意にしている。
高校は専大松戸に進学。大会では上位の常連だったものの、高校横綱まで常にあと一歩、届かなかった。東洋大では団体戦の主力メンバーとして活躍。三段目100枚目格付け出しで玉ノ井部屋に入門すると、所要9場所で新十両。しかし、ここでも「あと一歩」に悩まされる。
「十両に昇進してから2年目の2022年3月場所以降は、10場所連続で4枚目以上と常に上位をキープしていた。逆に言えば、いつもいつも、あと一歩、あと1勝に泣かされてきた。十両筆頭で臨んだ今年の3月場所は、13日目まで7勝6敗。残り1勝で新入幕のはずが、まさかの連敗で負け越しだった。ようやく今場所で新入幕を果たせたものの、勝負弱さの克服が課題です」(タニマチ筋)