著者のコラム一覧
佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

「ワイはアサシオや」にも描かれた元大関・朝潮は相撲界に欠かせない力士だった

公開日: 更新日:

4代目朝潮太郎こと長岡末弘(2023年11月2日没、享年67)

 私たちの年代では「アサシオ」と言われると、胸毛の濃かった先代の朝潮太郎を思い出す。横綱までいったが、強い時と弱い時の差が激しく、”2人の朝潮”がいると不思議がられた。徳之島出身で、高砂親方としては高見山や小錦らの外国人力士を育てた。

 ”大ちゃん”の愛称を持つ元大関の朝潮こと長岡末弘は最晩年の弟子である。ただ、先代の”2人の朝潮”を引き継いだのか、成績にムラがあった。憎たらしいほど強い北の湖には13勝7敗と勝ち越したのに、結局、横綱にはなれなかった。「ノミの心臓」だったからである。

 学生相撲出身で、いじめられるのを嫌い、それがほとんどない高砂部屋を選んだ。そこに入門してきたのが問題児の朝青龍である。押さえつけない指導で彼を横綱にまでしたが、しかし、振りまわされて、コントロールがきかず、朝青龍は角界を去ることになった。

 力士としても親方としても、いま一歩だったけれども、憎めない性格は漫画家のいしいひさいちが「ワイはアサシオや」で描いたことでもわかる。

 漫画と言えば、NHKの「お江戸でござる」で人気者となった漫画家の杉浦日向子が大の相撲好きだった。くしくもと朝潮とはほぼ同い年である。あるいは朝潮のファンだったかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇