全国高校駅伝12.24号砲 箱根駅伝を目指すトップランナーの争奪戦はとっくに終わっている
前田は高校3年時に14分を切る好記録を連発。昨年の高校総体5000㍍では13分58秒01の好タイムで日本人最上位の4位に入るも、1年時は15分台がせいぜいだった。しかし、その頃から東農大のコーチが素質を見抜き、早くから勧誘。2年時に開花すると、将来は日本の中距離界を背負う逸材といわれるまでに成長した。
「あの前田を、箱根で総合優勝のない東農大がゲットできたのは奇跡とさえいわれた。前田は勧誘条件ではなく、無名時代から声をかけてくれたことや指導者の人柄、練習方針などで東農大への進学を決めたといわれている。箱根の常連校からすれば大魚を逃したというより、ハナから争奪戦にもならなかったわけです。こんなケースは稀で……。箱根駅伝で上位を狙う大学のスカウト合戦は激しさを増すばかりです」(前出・関係者)
これが駅伝王国の実態だ。