MGCファイナルチャレンジ対象レースなのに…福岡国際に有力選手が出てこなかったワケ
パリ五輪代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC=10月15日)が終わって約1か月半。男女2枠が決まり、残る1枚の切符を争うMGCファイナルチャンレンジが幕を開けた。
男子の対象レースは今回の福岡国際、2月大阪、3月東京の3レース。ここで2時間5分50秒を突破した最速選手が3人目の代表となる。2時間5分50秒を切れる者がいなければMGC3位の大迫傑が代表に決まる。
つまり、3日に行われた福岡国際はパリ五輪へ続く大事なレースなのだが、出場した国内招待選手は、MGCの28キロ手前で転倒し途中棄権した細谷恭平ただひとり。他にMGCで悔しい思いをした有力選手は誰も参戦しなかった。
「それは仕方ないですよ」と、ある実業団OBが言う。
「大学生やOBたちは正月の箱根駅伝で大いに盛り上がるが、実業団は元日のニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)が最大のイベントといっても過言ではない。そのレースは福岡国際のわずか4週間後。フルマラソンを走れば疲れは完全には抜けない。その状態で約11キロから22キロを走るには身体へのリスクだけでなく、チーム成績にも影響する。そもそも選手が福岡国際を走りたくても、監督や会社の幹部役からストップかかりますよ。だからパリ五輪の代表を狙うのは2月の大阪か3月の東京になるわけです」
ちなみに、2時間5分50秒切りが期待された細谷は、40キロ過ぎに優勝を争う4人の集団から遅れだし、設定記録には遠く及ばず2時間7分23秒の4位だった。