山本由伸&今永昇太は故障持ちで小柄…MLBピッチクロック「時短」が負担になるこれだけの理由

公開日: 更新日:

 野茂英雄に始まり、佐々木主浩、田中将大ダルビッシュ有、大谷……メジャーである程度の期間、活躍した投手はみな体が大きい。車でいうエンジンの部分、排気量がデカいのだ。過酷な移動、中4日の登板間隔、マウンドやボールなど日本とは異なる環境で結果を出し続けるには、基本的な体の強さが必要になる。

「中でも今永は体の不安が大きい」と、ア・リーグのスカウトがこう言う。

「今永の最大の長所は球のキレ。スピン量が多いから奪三振率も高いのですが、疲労で体力が落ちるとキレも鈍る。ボールのキレを維持するには中5日で、1試合につき80球未満が限度ではないか」

 今永に対してカブスの倍以上の契約額を用意した球団があったとの報道も中にはあったが、争奪戦に加わったア・リーグの別のスカウトに言わせると、「いや、カブスを上回るオファーはなかったどころか、カブスの正式契約前の身体検査では、左肩の古傷が問題視されたと聞いた」そうだ。

 初めて海を渡る2人は日本球界とは異なる環境に対応しなければならない。小柄な2人にはただでさえ越えなければならない高いハードルがあるうえ、すでにメジャーで実績のある大谷ですら悲鳴を上げたピッチクロックの問題がさらに大きな負担となって重くのしかかるだけに心配だ。

 ◇  ◇  ◇

●記事前編【MLBピッチクロック「20秒→18秒」に…1年生投手の山本由伸&今永昇太には大ダメージ?】では、ピッチクロックに対する大谷翔平の見解など、本記事につながる重要事項を報じている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇