大谷にとって打者専念は「非日常」…投げない=負担軽減とはいかない複雑事情
「(投打の)ひとつだけやると僕はちょっと良くないと思っている」
右肘の手術明けのため、今季は打者に専念するドジャース大谷翔平(29)に対し、テレビの情報番組でこう話したのが栗山英樹前日本代表監督だ。大谷にとっては投手と野手、両方やるのが本来のスタンス、リズムであって、どちらかに専念してしまうとリズムが崩れるということなのだろう。
日本ハム時代から、前例のない二刀流は大きな波紋を呼んだが、当の本人はどこ吹く風。脇目も振らず、自身のスタイルを貫き通した。
(【前編】からつづく)
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当時の日本ハムGMだった山田正雄現スカウト顧問は、かつて本紙のインタビューでこう言ってクビをかしげている。
「『周りにピッチャー専門の人がいれば、野手専門の人もいるのに、そんなこと(二刀流)を僕が最初からやっていいんですか?』とか、そういうことを言うじゃないですか、フツーは。けれども、何も言わなかった。もし、悩みがあったりすれば、そのときは聞いてくるだろうと思っていたのに、まったく聞いてこない。その辺、神経というか考え方は一般的な高卒選手じゃないですよね。よほど自信があったのか……。高校時代の清原和博とか松井秀喜のように甲子園で騒がれるような活躍をしたのであれば、あれぐらい打ったのだからオレだってプロでできるだろうと思うかもしれないけど、自信をもつほど高校時代には活躍していませんからね。いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと……」