巨人・阿部監督「初采配」に隠されたメッセージとは…阪神との“開幕前哨戦”を圧倒!
指揮官は「阿部野球」の指針をまとめた冊子を首脳陣、選手、関係者に配布しているが、その第1に「勝利のために自己犠牲ができる選手を起用する」と書いている。当然、シーズン本番でも考えられる采配だが、それとは別に、「この日の初回の犠打は4番岡本へのメッセージでもあるでしょう」と前出の橋本氏がこう続ける。
「阿部監督は就任以来、V奪回のキーマンに岡本の名前を挙げ、求めるものは『打点、それも、勝利打点』と繰り返し言っています。岡本は昨年、41本塁打で本塁打王を獲得しながら、打点は93で100に届かなかった。ソロ本塁打が28本で得点圏打率は.239。ここで1本出ていればとケースで凡退し、試合を落とすことが少なからずあった。チャンスをお膳立てして岡本に回す、そのチャンスを4番が確実にものにする。そういう戦い方をする、主砲に命運を託す、だから試合を決定づける働きをしてくれよというメッセージでもあるでしょう」
試合は9-4で巨人が阪神を圧倒した。が、打者一巡の猛攻を見せた初回以降、二回から六回までは無安打。守備では3つのエラーも出た。試合後の阿部監督は「普通にやるのは一番難しい。当たり前に取れるアウトが取れないとか、そういうものが野球は致命傷になる」と笑顔を見せなかったが、阿部野球の一端が垣間見られた〝初采配〟ではあった。