著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

勢い増す米国スポーツ賭博の歴史…2018年の連邦最高裁の判決がターニングポイントに

公開日: 更新日:

 1979年にウィリー・メイズ、83年にはミッキー・マントルという球史に残る大選手がカジノ関連企業に職を得ていることが問題視され、一時的ながら球界から追放されている。さらに1989年には歴代最多安打記録を持つピート・ローズが野球賭博を行ったことを理由に永久追放処分を受けている。

 球界にとっても、独自の規定ではなく連邦法によってスポーツ賭博全般が違法とされたことは心強いものだった。

 しかし、財政難に直面した各州は新たな財源を模索する中でスポーツ賭博に着目し、2012年にニュージャージー州がスポーツ賭博の合法化に踏み切る。

 ニュージャージー州の動きに対して、大リーグを含む米国4大プロスポーツリーグと全米大学体育協会はPASPAに違反するとして訴訟を起こす。そして連邦最高裁は2018年にPASPAによるスポーツ賭博の禁止は違憲という判決を下し、状況は一変する。

 これ以降、各リーグは選手が自ら行う競技を対象とする賭博に関わることを禁じつつも、スポーツ賭博の運営企業を新たな広告主として迎えるようになったのである。

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