巨人ドラ3佐々木俊輔は開幕スタメン当確 強靭な足腰は往復2時間強のチャリ通いで培った
ある大会で羽村シニアは初回に大量失点を喫した。原島監督が続ける。
「みんな意気消沈してシーンとなる中で、佐々木だけが『逆転しようぜ!』とひたすらチームメートを鼓舞し続けた。そのかいあってチームはあと一歩のところまで追い上げた。主将ではありませんでしたが、誰よりも責任感が強かった。チームとして目立った実績はなくても、佐々木の名前はとどろいていて、帝京の前田三夫先生(当時監督)が直々に練習を見に来て『ぜひ佐々木君を帝京に』と即決してくれました」
帝京から東洋大、日立製作所とアマチュア野球のエリートコースを歩んだ。とはいえ、各球団のスカウトは佐々木の躍進に驚きを隠せない。社会人野球関係者は「日立製作所に届いたドラフト前の調査書は、巨人を含めて2球団ほど。だから、佐々木は指名漏れも覚悟していたようです」と証言。巨人の球団関係者もこう苦笑いする。
「レギュラーじゃなくても、守備や走塁から出場してチャンスをつかめるタイプという評価で、3位指名に踏み切った。守備固めや代走で出る時は、勝ってる展開が多い。対戦する投手は敗戦処理というか、負けている試合に投げる投手だから、そこそこ打率も残せるだろうと。まさか開幕スタメンなんて想定外です」