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鈴木照雄

1946年、長野・阿智村生まれ。塚原学園天竜高(現松川高)、大東文化大、河合楽器を経て、71年ドラフト11位で阪神入団。76年に太平洋クラブ(現西武)に移籍。78年クラウンライターが西武鉄道へ身売りするタイミングで引退、スカウトに転身。2006年までの28年間、関西と北信越の一部を担当。担当選手は清原和博、垣内哲也、和田一浩、松井稼頭央、中島宏之、栗山巧、中村剛也、炭谷銀仁朗ら逸材多数。現在は長野・飯田ボーイズの監督を務める。

協約違反で契約無効になった小島弘務を巡る根本陸夫流「親分の後始末」

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 1989年12月、西武ドラフト外で投手の小島弘務(現・浜松修学舎高監督)を獲得した。鈴木にとっての「隠し玉」だった。

 平安高(現・龍谷大平安)から駒大へ進学するも、1年夏に中退。その後、かつて和歌山を拠点にした住友金属(当時)に入社していた。

 契約金4500万円、年俸450万円。ドラフト外としては高額の契約になったのは、西武がドラフト指名選手との差をつけなかったこと、小島を上位指名と同等の評価をしていたからだった。

 西武はドラフト外で多くの逸材を獲得し、黄金時代を築いた。鈴木も「いかに下位や外でいい選手を取るか」ということに心血を注いだ。

 鈴木は住金入社直後の小島の投球を見て、その才能に惚れた。そして89年に入って元監督の山中正竹氏(現・全日本野球協会会長)を大阪の住金ビルに訪ねて、指名の挨拶もした。

 他球団も獲得調査を進める中、89年12月に契約をまとめて入団会見。日本野球機構(NPB)にも書類を提出した。90年2月の高知・春野キャンプ(B班)では阪神二軍との練習試合に登板。順調にプロの水に慣れてきた中、一部スポーツ紙が西武と小島との契約を「協約違反」と報じる大騒動に発展した。

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