女子ラグビー原わか花「反対されるかも…」親戚一丸で祖父に隠した高校からのラグビー挑戦
「基礎ができていないまま応用練習をしていたので、このままじゃいけない、と。思い切って留学を決めました。ニュージーランドで基本をイチから学ぶことができて、そこで初めてラグビーの楽しさを体感したんです。楽園のような場所でした(笑)。同時に、なぜ自分がラグビーをしているのかを考えるきっかけにもなった。言葉にするのは難しいけど、海外の選手は『誰かのため』にプレーしている人が多いんです。それがなんだかラグビーの本質のような気もして。競技との向き合い方が大きく変わりました」
ラグビーはニュージーランドの国技になっているだけに、そこかしこに競技場がある。年がら年中、プロ、アマ問わずに試合が行われ、国民の生活の一部になっている。
「試合中に散歩中だった犬が乱入することもザラにあるくらい、誰でも気軽に観戦できる環境でした」
“楽園”から戻ってきた原は、不意に厳しい現実を突きつけられることになる。後に祖父に秘密を打ち明けることになるが、それはもう少し先の話だ。 (つづく)
▽原わか花(はら・わかば) 2000年1月6日、新潟県新潟市生まれ。石見智翠館高(島根)でラグビーを始め、3年時に日本代表入り。慶大に進むと、学校の体育会には所属せずに東京山九フェニックスに入団。21年東京五輪に出場した。好きな食べ物は新潟県の特産品であるサーモンの塩辛と白米。