サーフィン「タヒチ開催」への疑問…「海中の審判塔建設計画」に世界中から猛反発
ただ、タヒチの人はあまり快く思っちゃいない。タヒチはフランス領でもフランスじゃないからね。独自の国旗もあれば、大統領だっている。なにより、彼らが怒っているのは、五輪委員会がタヒチをまるでリスペクトしていない点なんだ。
■選手はクルーズ船で寝起き
会場となるタヒチのチョープーは、サーファーの聖地だ。でも土地の人は自然を大切にしていて、サーフスポットにありがちな開発もされていない。サーフショップさえないんだ。五輪委員会はそこに五輪のための新しい道や建物を造ろうとした。
特に問題となったのが、海中からそびえる審判塔だ。150平方メートルのアルミ製で、土台設置のため、サンゴ礁130カ所以上にドリルで穴をあけなくちゃいけない。専門家は「サンゴの白化を加速させ、取り返しのつかないことになる」と警鐘を鳴らし、サーファーたちは「この塔のせいで波が変わってしまう」と懸念。地元の人たちにとって、この海は大事な漁場であり、神聖な場所なんだ。
パリ五輪は持続の可能性を掲げているが、かの地の自然や伝統は考えていないみたいだ。