著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

IOCは命がけで戦争終結を訴えたロシア人自転車選手の勇気に報いなければいけない

公開日: 更新日:

 スポーツ大国ロシアがいないこの現実を突きつけられると五輪休戦を破った負債はロシアやベラルーシだけでなく、IOCにとっても大きいと思わざるを得ない。彼らを裁くだけでは、世界平和構築の機関になれない。

 折しも16日、ウクライナが提唱する和平案を話し合う「平和サミット」が共同声明を採択し閉幕したが、約100カ国のうち10カ国が賛成しなかった。ロシアが招かれてない状況での和平は不可能である。いかにロシアを取り込めるか。国を超えてスポーツで結びつき友好親善をつなぐ。それはオリンピックの初心ではないか。少しでも多くのロシア選手の参加が望まれる。

 AINの選手はセーヌ川での開会式にも参加できないというが、「私はただ平和を望んでいる。可能な限り早く戦争をやめてほしい」と表明したサイクリストのアレクサンドル・ウラソフの勇気にIOCは報いるべきだ。彼はAINとして認められている。

 私がかつて「戦争反対宣言をしたロシア選手の参加を認めるように」IOCに提案した時、「彼らの身に危険が及ぶ」と返されたものだ。確かに、パリ五輪参加表明は命がけでもある。審査をパスしてもボイコットする可能性のあるロシア選手をとどめるためにも、せめて開会式入場行進参加を認めるべきだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された