ロッテのサイ・ヤング賞左腕カイケル “売り”はポストシーズンでの勝負強さ
球速は140キロちょっと。バッタバッタと三振の山を築くわけではなく、迫力というか、すごみはない。が、さすがはメジャーのサイ・ヤング賞左腕と、そう思わせるだけのものはある。
23日のオリックス戦に先発した2015年のサイ・ヤング賞投手、ロッテのダラス・カイケル(36)のことだ。
投球の大半は140キロ程度のツーシーム。これにスライダー、カットボール、チェンジアップが加わる。打者の手元で微妙に球を動かし、ボールを低めに集める制球の良さは秀逸だ。
7月30日にロッテ入団が発表され、この日は17日のソフトバンク戦(5回を3安打2失点)に続く2試合目の登板。7回を3安打無失点に抑えた。
制球の良さに加え、売りはポストシーズンの勝負強さ。メジャー13年間のレギュラーシーズンは103勝92敗、防御率4.04なのに対し、ポストシーズンは4勝3敗、防御率3.71。17年のポストシーズンは2勝2敗、防御率3.58でアストロズ史上初のワールドシリーズ制覇に貢献した。
ロッテは現在、リーグ3位。このままいけば2年連続でCSに駒を進めることになる。昨年はソフトバンクに勝ってファーストステージを突破したものの、ファイナルステージでオリックスに敗れた。今年はそれ以上の成績を目指すロッテが7月末にカイケルを獲得したのも、ポストシーズンでの勝負強さを評価したからに違いない。