技術とメンタルが試される「ナショナルオープン」は見所満載…タフな状況でどれだけスコアをつくれるか
私は1980年にプロテストに合格。プロ初勝利が翌年の日本オープン(岐阜・日本ラインGC)でした。国内最高峰の大会は、クラブハウスに入った瞬間から「静寂」と「重み」というか、独特の雰囲気があります。出場選手からは厳しい戦いを前にしての緊張感が伝わってきます。
私が勝った年はまだ、青木(功)さんと中嶋(常幸)さんは日本オープンの優勝経験がなく、「おまえらにタイトルは渡さんぞ」と言わんばかりに険しい表情を見せていました。
タフな状況でどれだけスコアをつくれるか。ラフに入れたら無理してパーを狙わず、ボギーでよしとするホールもある。一打もおろそかにできない日本オープンは昔から「1日目が終わっただけでヘトヘトになる」といわれています。これは女子もシニアも同じこと。ファンにとっては、これ以上見応えのある国内大会はないでしょう。
今思えば、プロ2年目に日本オープンと日本シリーズに優勝できたのは、怖さ知らずと勢いによるものです。それが翌年のマスターズ15位にもつながったのでしょう。
今年のシニアオープンの会場は下見で回りましたが、やっぱりラフが長い。ヘトヘトになる戦いを楽しんできます。