ソフトB4位 宇野真仁朗 名門・桐蔭学園で元阪神関川と副主将を務めた父、早実近くに2人で暮らして支えた母
ソフトバンク4位 宇野真仁朗(早実・18歳・内野手)
まさにサラブレッドだ。
父・誠一さん(56)は神奈川の名門・桐蔭学園高出身。東京・大田区の中学時代、軟式野球部で都大会ベスト4に入ると、声がかかった。
誠一さんがこう言う。
「桐蔭学園からスカウトしていただいて、当時はよく知らなかったんですが、戦国・神奈川で野球がやりたいと思っていたので決めました」
正三塁手として2年秋に神奈川2位で関東大会8強。センバツ当確の4強まであと1勝だった。3年夏は県8強。惜しくも甲子園には届かなかったものの、阪神などで活躍した同級生の関川浩一とともに副主将を務めた。1学年下には元近鉄の大久保秀昭が在籍していた。桐蔭学園が元西武の高木大成や元巨人の高橋由伸を擁して黄金時代を築く少し前のことだ。
卒業後は独協大に進学。首都大学リーグ2部で通算100安打をマークし、社会人チームのリクルートへ。ほどなく指導者に転身し、フェデックス(現FedEx)では4シーズン監督を務めた。
その後はリクルートで社業に専念し、営業一筋。2021年に株式会社エスアールエスを設立し、キャリアコンサルタントとして活動しながら、ジュニアスポーツの運営、ドジャースの大谷翔平やヤンキースのアーロン・ジャッジといった両リーグの本塁打王が使用する「チャンドラー社」のバットの輸入総代理店を務める。
母の博子さん(54)も同じ独協大でダイビング部に所属。筋金入りの体育会夫婦だ。
誠一さんが26歳の時に結婚。宇野は3人兄弟の末っ子。長男の隼太朗さん(25)も桐蔭学園の野球部出身。次男の竜一朗さん(22)は小、中で日本代表に選ばれ、早実高から現在は早大野球部4年で学生コーチ。隼太朗さん同様、米国の大学留学の準備中だという。
博子さんが「2人の兄あっての真仁朗」と言うように、2人の兄の背中を追って小4で野球を始める。中学時代は誠一さんが監督を務める市川リトルシニアでプレー。中学3年時にはシニア日本代表に選出され、難関の早実に推薦入試で入学した。
早実は日本代表クラスの野球の実力と高い学力、高い評定平均値が求められる。寝る間も惜しんで勉強と練習に明け暮れたのかーー。しかし、誠一さんはこう否定した。