メジャー史上最高の遊撃手オジー・スミスは自ら出した《職 求む》の新聞広告で「オズの魔法使い」になった
先日、1939年の映画「オズの魔法使」で女優ジュディ・ガーランドが履いた“ルビーの靴”がオークションに出され、映画関係の品で最高の2800万ドル(約42億円)で落札された。
このニュースを聞き、往年の大リーガーの逸話を思い出した。今回はこれを伝えたい。
今も“メジャー最高の遊撃手”と称される、オジー・スミスの話だ。彼のニックネームが「オズの魔法使い」だったことは、古くからの野球ファンならご存じだろう。
試合が始まる前、守備位置に就く際に軽やかにバク宙したスミスは、プレーボールとなると、左翼手の前からジャンピングスローで打者走者を一塁でアウトにするなど、ケタ外れのプレーを見せた。なにしろ「オジーのグラブで2点は防ぐ」と評価されたほど。
これは、カージナルス時代(1982~96年)の栄光なのだが、実はパドレス時代(78~81年)は、球団から守備力を無視され、打率2割5分がやっとの貧打を追及された。年俸を抑えられたスミスがそこで大バクチを打つ。それが、地元新聞へ自ら出した“広告”の掲載だった。