認知症の父親がティッシュを食べてしまいます…対応策は?
認知症の親を介護する家族から受ける相談に多いのが、食べ物以外の物を口にする「異食」の症状です。
側頭葉が強く障害されて起きる症状に口唇傾向があり、これは食べられる食べられないに関係なく何でも口に入れる症状で、このうち食べ物以外の物を口に入れてしまうものを異食といいます。前頭側頭型認知症のうちピック病では比較的早くからみられますが、アルツハイマー型認知症でも進行期になるとみられることがあります。ティッシュや消しゴム、空になった錠剤のシートなど、口にするものはさまざまです。
ピック病のお母さんを自宅で介護する娘さんは、ある日、リビングで裁縫をしていたとき、洗濯物を干そうと少しの間、席を離れ、そのまま夕食の準備を始めました。夕食の最中、お母さんは腹痛を訴え、食事もほとんど取りません。まさかと思い裁縫セットを確認すると、10本ほどあったマチ針が1本たりとも残っていない。慌てて病院を受診し内視鏡検査を行うと、なんと胃に何本も針が刺さっていたといいます。内視鏡ではすべて取り切れず、最終的には開腹して除去されました。