80代の親が脊柱管狭窄症で歩けない…手術するかどうか悩んでいる
「80代の母親が脊柱管狭窄症で、歩いていると脚がしびれて歩けなくなります。以前は遠くのスーパーまで買い物に出掛けていたのですが、脚が痛くて歩けないので、宅配サービスを利用するようになりました」
こう話す男性が悩んでいるのは、母親に脊柱管狭窄症の手術を強く勧めるかどうか。整形外科に通ってブロック注射を打ってもらっているけれども、一向に症状が良くならない。
主治医の先生からは「低侵襲の内視鏡手術もある。脚が痛くてつらいなら手術もいいのでは」と説明を受け、気になってはいるが、母親とともに「80代にもなって手術はどうだろう。年だし、どこか痛かったり不具合があるのは仕方がないことでは」という思いもあり、迷っているのだそうです。
脊柱管狭窄症は私の専門外ではあるものの、ひとつ言えるのは、「歩けるようになる術があるならば、『年だから』と思わないで、積極的に検討してみるといいのでは」ということです。
歩けるかどうかは、認知機能をどれだけ維持できるかにつながります。70~80歳の女性の認知機能テストの成績と日頃の運動習慣の関係を調べた研究では、日頃よく歩く人はテストの成績が良く、1週間あたりの歩行時間を「2.8時間以上」「1.5時間~2.8時間未満」「40分~1.4時間」「40分未満」で比較をすると、歩行時間が長いほど認知機能テストの得点が高かったのです。このうち「40分~1.4時間」であっても、「40分未満」とは明らかな差がありました。